@subtitle 「試験で使用する情報処理用語・プログラム言語など Ver 2.2(平成24年5月22日) 別紙1」より
@end titlepage
-@chapter システム COMETIIの仕様
+@chapter システム COMET IIの仕様
@section ハードウェアの仕様
JIS X 0201 ラテン文字・片仮名用8ビット符号で規定する文字の符号表を使用する。
@item
+次に符号表の一部を示す。1文字は8ビットからなり、上位4ビットを列で、下位4ビットを行で示す。 たとえば、間隔、4、H、\のビット構成は、16進表示で、ビット構成が 21~7E(及び表では省略しているA1~DF)に対応する文字を図形文字という。 図形文字は、表示(印刷)装置で、文字として表示(印字)できる。
+
+@multitable @columnfractions .22 .13 .13 .13 .13 .13 .13
+@headitem 行\列 @tab 02 @tab 03 @tab 04 @tab 05 @tab 06 @tab 07
+@item 0 @tab 間隔 @tab 0 @tab @@ @tab P @tab ` @tab p
+@item 1 @tab ! @tab 1 @tab A @tab Q @tab a @tab q
+@item 2 @tab " @tab 2 @tab B @tab R @tab b @tab r
+@item 3 @tab # @tab 3 @tab C @tab S @tab c @tab s
+@item 4 @tab $ @tab 4 @tab D @tab T @tab d @tab t
+@item 5 @tab % @tab 5 @tab E @tab U @tab e @tab u
+@item 6 @tab & @tab 6 @tab F @tab V @tab f @tab v
+@item 7 @tab ' @tab 7 @tab G @tab W @tab g @tab w
+@item 8 @tab ( @tab 8 @tab H @tab X @tab h @tab x
+@item 9 @tab ) @tab 9 @tab I @tab Y @tab i @tab y
+@item 10 @tab * @tab : @tab J @tab Z @tab j @tab z
+@item 11 @tab + @tab ; @tab K @tab [ @tab k @tab @{
+@item 12 @tab 、 @tab < @tab L @tab \ @tab l @tab |
+@item 13 @tab - @tab = @tab M @tab ] @tab m @tab @}
+@item 14 @tab 。 @tab > @tab N @tab ^ @tab n @tab ~
+@item 15 @tab / @tab ? @tab O @tab _ @tab o @tab
+@end multitable
-
+@item
+この表にない文字とそのビット構成が必要な場合は、問題中で与える。
@end enumerate
-(1)
- 行 列
- 0
-
-1
-(2) 右に符号表の一部を示す。1 文字は 8 ビットからなり,上位 4 ビットを列で,下位 4 ビットを行で示す。例えば,間隔,4,H,¥ のビット構成は,16 進表示で,それぞれ 20,34,48,
-2
-
-3
-
-4
-
-5
-6
-5C である。16 進表示で,ビット構成が 21 ~7E(及び表では省略している A1 ~ DF)に対応する文字を図形文字という。図形文字は,表示(印刷)装置で,文字として表示(印字)できる。
-7
-
-8
-
-9
- 10
-
-(3) この表にない文字とそのビット構成が必要な場合は,問題中で与える。
-11
-
-12
-13
-14
-15
-02 03
-間隔 0
-!
-1
-”
-2
-#
-3
-$
-4
-%
-5
-&
-6
-'
-7
-(
-8
-)
-9
-*
-:
-+
-;
-,
-<
-‐
-=
-.
->
-/
-?
-04
-@
-A
-B
-C
-D
-E
-F
-G
-H
-I
-J
-K
-L
-M
-N
-O
-05
-P
-Q
-R
-S
-T
-U
-V
-W
-X
-Y
-Z
-[
-¥
-]
-^
-_
-06
-`
-a
-b
-c
-d
-e
-f
-g
-h
-i
-j
-k
-l
-m
-n
-o
-07
-p
-q
-r
-s
-t
-u
-v
-w
-x
-y
-z
-{
-|
-}
-~
-@bye
+@chapter アセンブラ言語CASL IIの仕様
+@section 言語の仕様
-シフト演算命令
-算術左シフト SLA r,adr[,x]
- Shift Left Arithmetic
- r,adr[,x]
-
-SLL r,adr[,x]
-SRL r,adr[,x]
-JPL adr[,x]
-JMI adr[,x]
-JNZ adr[,x]
-JZE adr[,x]
-JOV adr[,x]
-JUMP adr[,x]
-論理左シフト
-Shift Left Logical
-論理右シフト
-Shift Right Logical
-(5)
-←(r1)+(r2)
-←(r)+(実効アドレス)
-←(r1)+L(r2)
-←(r)+L(実効アドレス)
-←(r1)-(r2)
-←(r)-(実効アドレス)
-←(r1)-L(r2)
-←(r)-L(実効アドレス)
-←(r1)AND(r2)
-←(r)AND(実効アドレス)
-←(r1)OR(r2)
-←(r)OR(実効アドレス)
-←(r1)XOR(r2)
-←(r)XOR(実効アドレス)
-比較演算命令
-r1,r2
-(4)
-r1
-r
-r1
-r
-r1
-r
-r1
-r
-r1
-r
-r1
-r
-r1
-r
-分岐命令
-正分岐
-Jump on PLus
-負分岐
-Jump on MInus
-非零分岐
-Jump on Non Zero
-零分岐
-Jump on ZEro
-オーバフロー分岐
-Jump on OVerflow
-無条件分岐
-unconditional JUMP
-FR の値によって、実効アドレスに分岐す
-る。分岐しないときは、次の命令に進む。
-分岐するときの FR の値
-命令
-OF
-SF
-ZF
-0
-0
-JPL
-1
-JMI
-
-JNZ
-0
-1
-JZE
-JOV
-1
-無条件に実効アドレスに分岐する。
-
-(6)
-スタック操作命令
-プッシュ
-PUSH
-ポップ
-POP
-PUSH adr[,x]
-POP r
-コール CALL adr[,x]
- CALL subroutine
-リターン RET
- RETurn from subroutine
-SVC adr[,x]
-NOP
-(7)
-(8)
-SP ←(SP)-L 1, -
- (SP)← 実効アドレス
- r ←((SP))
- ,
- SP ←(SP)+L 1
-SP ←(SP)-L 1, -
- (SP)←(PR)
- ,
- PR ← 実効アドレス
- PR ←((SP))
- ,
- SP ←(SP)+L 1
-コール,リターン命令
-その他
-スーパバイザコール
-SuperVisor Call
-ノーオペレーション
-No OPeration
-(注) r,r1,r2
-
-adr
-
-x
-[
-]
-
-(
-)
-
-実効アドレス
-←
-
-+L,-L
-FR の設定
-実効アドレスを引数として割出しを行
-う。実行後の GR と FR は不定となる。
--
-何もしない。
-いずれも GR を示す。指定できる GR は GR0 ~ GR7
-アドレスを示す。指定できる値の範囲は 0 ~ 65535
-指標レジスタとして用いる GR を示す。指定できる GR は GR1 ~ GR7
-[
-]内の指定は省略できることを示す。
-(
-)内のレジスタ又はアドレスに格納されている内容を示す。
-adr と x の内容との論理加算値又はその値が示す番地
-演算結果を、左辺のレジスタ又はアドレスに格納することを示す。
-論理加算、論理減算を示す。
-○ :設定されることを示す。
-- :実行前の値が保持されることを示す。
+@enumerate
+@item
+CASL IIは、COMET IIのためのアセンブラ言語である。
-@section 文字の符号表
-(1) JIS X 0201 ラテン文字・片仮名用 8 ビット符 行 列
-0
-号で規定する文字の符号表を使用する。
-1
-(2) 右に符号表の一部を示す。1 文字は 8 ビット
-2
-からなり、上位 4 ビットを列で、下位 4 ビット
-3
-を行で示す。例えば、間隔、4、H、¥ のビット
-4
-構成は、16 進表示で、それぞれ 20、34、48、
-5
-6
-5C である。16 進表示で、ビット構成が 21 ~
-7
-7E(及び表では省略している A1 ~ DF)に対応
-8
-する文字を図形文字という。図形文字は、表示
-9
-(印刷)装置で、文字として表示(印字)できる。 10
-(3) この表にない文字とそのビット構成が必要な
-11
-場合は、問題中で与える。
-12
-13
-14
-15
-02 03
-間隔 0
-!
-1
-”
-2
-#
-3
-$
-4
-%
-5
-&
-6
-'
-7
-(
-8
-)
-9
-*
-:
-+
-;
-,
-<
-‐
-=
-.
->
-/
-?
-04
-@
-A
-B
-C
-D
-E
-F
-G
-H
-I
-J
-K
-L
-M
-N
-O
-05
-P
-Q
-R
-S
-T
-U
-V
-W
-X
-Y
-Z
-[
-¥
-]
-^
-_
-06
-`
-a
-b
-c
-d
-e
-f
-g
-h
-i
-j
-k
-l
-m
-n
-o
-07
-p
-q
-r
-s
-t
-u
-v
-w
-x
-y
-z
-{
-|
-}
-~
-
-@chapter アセンブラ言語 CASLIIの仕様
-@section 言語の仕様
-(1) CASLIIは、COMETIIのためのアセンブラ言語である。
-(2) プログラムは、命令行及び注釈行からなる。
-(3) 1 命令は 1 命令行で記述し、次の行へ継続できない。
-(4) 命令行及び注釈行は、次に示す記述の形式で、行の 1 文字目から記述する。
-行 の 種 類
-記 述 の 形 式
-オペランドあり [ラベル]
-{空白}
-{命令コード}
-{空白}
-{オペランド}
-[{空白}
-[コメント]
-]
-命令行
-オペランドなし [ラベル]
-{空白}
-{命令コード}
-[{空白}
-[{;}
-[コメント]]
-]
-注釈行
-[空白] [コメント]
-{;}
-(注) [
-] [
-]内の指定が省略できることを示す。
-{
-} {
-}内の指定が必須であることを示す。
-その命令の(先頭の語の)アドレスを他の命令やプログラムから参照するための
-ラベル
-名前である。長さは 1 ~ 8 文字で、先頭の文字は英大文字でなければならない。
-以降の文字は、英大文字又は数字のいずれでもよい。なお、予約語である GR0 ~
-GR7 は、使用できない。
-空白
-1 文字以上の間隔文字の列である。
-命令コード 命令ごとに記述の形式が定義されている。
-オペランド 命令ごとに記述の形式が定義されている。
-コメント
+@item
+プログラムは、命令行および注釈行からなる。
+
+@item
+1命令は1命令行で記述し、次の行へ継続できない。
+
+@item
+命令行および注釈行は、次に示す記述の形式で、行の1文字目から記述する。
+@multitable @columnfractions .15 .15 .70
+@headitem 行の種類 @tab @tab 記述の形式
+@item 命令行 @tab オペランドあり @tab [ラベル]{空白}{命令コード}{空白}{オペランド}[{空白}[{;}[コメント]]
+@item @tab オペランドなし @tab [ラベル]{空白}{命令コード}[{空白}[{;}[コメント]]
+@item 注釈行 @tab @tab [空白]{;}[コメント]
+@end multitable
+
+@itemize
+@item 注
+@table @dfn
+@item [ ]
+[ ]内の指定が省略できることを示す。
+
+@item { }
+{ }内の指定が必須であることを示す。
+
+@item ラベル
+その命令の(先頭の語の)アドレスを他の命令やプログラムから参照するための名前である。 長さは1~8文字で、先頭の文字は英大文字でなければならない。 以降の文字は、英大文字又は数字のいずれでもよい。 なお、予約語であるGR0~GR7は、使用できない。
+
+@item 空白
+1文字以上の間隔文字の列である。
+
+@item 命令コード
+命令ごとに記述の形式が定義されている。
+
+@item オペランド
+命令ごとに記述の形式が定義されている。
+
+@item コメント
覚え書きなどの任意の情報であり、処理系で許す任意の文字を書くことができる。
+@end table
+@end itemize
+@end enumerate
+
@section 命令の種類
-命令は、4 種類のアセンブラ命令(START,END,DS,DC) 種類のマクロ命令(IN,
-,4
-OUT,RPUSH,RPOP)及び機械語命令(COMETIIの命令)からなる。その仕様を次に示
-す。
-命令の種類
-ラベル
-命 令
-コード
-オペランド
-機
-能
-プログラムの先頭を定義
-プログラムの実行開始番地を定義
-ラベル START [実行開始番地]
-他のプログラムで参照する入口名
-を定義
-アセンブラ命令
-END
-プログラムの終わりを明示
-
-
-[ラベル] DS
-語数
-領域を確保
-[ラベル] DC
-定数[,定数]...
-定数を定義
-[ラベル] IN
-入力領域,入力文字長領域 入力装置から文字データを入力
-[ラベル] OUT
-出力領域,出力文字長領域 出力装置へ文字データを出力
-マクロ命令
-[ラベル] RPUSH
-GR の内容をスタックに格納
-[ラベル] RPOP
-スタックの内容を GR に格納
-機械語命令
-[ラベル]
-(
-「1.2 命令」を参照)
-
-@section アセンブラ命令
-アセンブラ命令は、アセンブラの制御などを行う。
-(1)
-START [実行開始番地]
-START 命令は、プログラムの先頭を定義する。
-実行開始番地は、そのプログラム内で定義されたラベルで指定する。指定がある場合
-はその番地から、省略した場合は START 命令の次の命令から、実行を開始する。
-また、この命令につけられたラベルは、他のプログラムから入口名として参照できる。
-(2)
-END
-END 命令は、プログラムの終わりを定義する。
-(3)
-DS
-語数
-DS 命令は、指定した語数の領域を確保する。
-語数は、10 進定数(≧ 0)で指定する。語数を 0 とした場合、領域は確保しないが、
-ラベルは有効である。
-(4)
-DC
-定数[,定数]...
-DC 命令は,定数で指定したデータを(連続する)語に格納する。
-定数には、10 進定数、16 進定数、文字定数、アドレス定数の 4 種類がある。
-定数の種類
-書き方
-命 令 の 説 明
-n で指定した 10 進数値を、 語の 2 進数データとして格納する。ただし、n
-1
-10 進定数
-n
-が-32768 ~ 32767 の範囲にないときは、その下位 16 ビットを格納する。
-h は 4 けたの 16 進数(16 進数字は 0 ~ 9、A ~ F)とする。h で指定した
-16 進定数
-#h
-16 進数値を 1 語の 2 進数データとして格納する(0000 ≦ h ≦ FFFF)
-。
-文字列の文字数(> 0)分の連続する領域を確保し、最初の文字は第 1 語の
-下位 8 ビットに、2 番目の文字は第 2 語の下位 8 ビットに、...と順次文字
-文字定数
-'文字列' データとして格納する。各語の上位 8 ビットには 0 のビットが入る。
-文字列には、間隔及び任意の図形文字を書くことができる。ただし、アポ
-ストロフィ(')は 2 個続けて書く。
-アドレス定数 ラベル ラベルに対応するアドレスを 1 語の 2 進数データとして格納する。
-
-@section マクロ命令
-マクロ命令は、あらかじめ定義された命令群とオペランドの情報によって、目的の機
-能を果たす命令群を生成する(語数は不定)
-。
-(1)
-IN
-入力領域、入力文字長領域
-IN 命令は、あらかじめ割り当てた入力装置から、1 レコードの文字データを読み込む。
-入力領域は、256 語長の作業域のラベルであり、この領域の先頭から、1 文字を 1 語に
-対応させて順次入力される。レコードの区切り符号(キーボード入力の復帰符号など)
-は、格納しない。格納の形式は、DC 命令の文字定数と同じである。入力データが 256 文
-字に満たない場合、入力領域の残りの部分は実行前のデータを保持する。入力データが
-256 文字を超える場合、以降の文字は無視される。
-入力文字長領域は、1 語長の領域のラベルであり、入力された文字の長さ(≧ 0)が 2
-進数で格納される。ファイルの終わり(end of file)を検出した場合は、-1 が格納され
-る。
-IN 命令を実行すると、GR の内容は保存されるが、FR の内容は不定となる。
-(2)
-OUT
-出力領域、出力文字長領域
-OUT 命令は、あらかじめ割り当てた出力装置に、文字データを、1 レコードとして書き
-出す。
-出力領域は、出力しようとするデータが 1 文字 1 語で格納されている領域のラベルで
-ある。格納の形式は、DC 命令の文字定数と同じであるが、上位 8 ビットは、OS が無視
-するので 0 でなくてもよい。
-出力文字長領域は、1 語長の領域のラベルであり、出力しようとする文字の長さ
-(≧ 0)
-を 2 進数で格納しておく。
-OUT 命令を実行すると、GR の内容は保存されるが、FR の内容は不定となる。
-(3)
-RPUSH
-RPUSH 命令は、GR の内容を、GR1,GR2,...,GR7 の順序でスタックに格納する。
-(4)
-RPOP
-RPOP 命令は、スタックの内容を順次取り出し、GR7,GR6,...,GR1 の順序で GR に
-格納する。
-@section 機械語命令
-機械語命令のオペランドは、次の形式で記述する。
-r, r1, r2
-x
-adr
-GR は、記号 GR0 ~ GR7 で指定する。
-指標レジスタとして用いる GR は、記号 GR1 ~ GR7 で指定する。
-アドレスは、10 進定数、16 進定数、アドレス定数又はリテラルで指定する。
-リテラルは、一つの 10 進定数、16 進定数又は文字定数の前に等号(=)を付けて
-記述する。CASLIIは、等号の後の定数をオペランドとする DC 命令を生成し、そ
-のアドレスを adr の値とする。
-@section その他
-(1) アセンブラによって生成される命令語や領域の相対位置は、アセンブラ言語での記述
-順序とする。ただし、リテラルから生成される DC 命令は、END 命令の直前にまとめて
-配置される。
-(2) 生成された命令語、領域は、主記憶上で連続した領域を占める。
-
-@chapter プログラム実行の手引
-@section OS
-プログラムの実行に関して、次の取決めがある。
-(1) アセンブラは、未定義ラベル(オペランド欄に記述されたラベルのうち、そのプログ
-ラム内で定義されていないラベル)を、他のプログラムの入口名(START 命令のラベ
-ル)と解釈する。この場合、アセンブラはアドレスの決定を保留し、その決定を OS に
-任せる。OS は、実行に先立って他のプログラムの入口名との連係処理を行いアドレス
-を決定する(プログラムの連係)
-。
-(2) プログラムは、OS によって起動される。プログラムがロードされる主記憶の領域は
-不定とするが、プログラム中のラベルに対応するアドレス値は、OS によって実アドレ
-スに補正されるものとする。
-(3) プログラムの起動時に、OS はプログラム用に十分な容量のスタック領域を確保し、
-その最後のアドレスに 1 を加算した値を SP に設定する。
-(4) OS は、CALL 命令でプログラムに制御を渡す。プログラムを終了し OS に制御を戻す
-ときは、RET 命令を使用する。
-(5) IN 命令に対応する入力装置、OUT 命令に対応する出力装置の割当ては、プログラムの
-実行に先立って利用者が行う。
-(6) OS は、入出力装置や媒体による入出力手続の違いを吸収し、システムでの標準の形
-式及び手続(異常処理を含む)で入出力を行う。したがって、IN、OUT 命令では、入出
-力装置の違いを意識する必要はない。
-@section 未定義事項
-プログラムの実行等に関し、この仕様で定義しない事項は、処理系によるものとする。
-
-@unnumbered参考資料
-
-参考資料は、COMETIIの理解を助けるため又は COMETIIの処理系作成者に対する
-便宜のための資料である。したがって、COMETII、CASLIIの仕様に影響を与えるもの
-ではない。
-
-@section 命令語の構成
-命令語の構成は定義しないが、次のような構成を想定する。ここで、OP の数値は 16
-進表示で示す。
-15
-11
-7
-3
-第1語
-0 15
-OP
-r/r1 x/r2
-主OP副OP
-0
-0
--
--
-1
-0
-1
-2
-4
-2
-0
-1
-2
-3
-4
-5
-6
-7
-3
-0
-1
-2
-4
-5
-6
-4
-0
-1
-4
-5
-5
-0
-1
-2
-3
-6
-1
--
-2
--
-3
--
-4
--
-5
--
-6
--
-7
-0
--
-1
--
-8
-0
--
-1
--
--
-9
-~
-E
-F
-0
--
-0
-第2語
-adr
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
--
-ビット番号
-命令語とアセンブラとの対応
-命令
-語長
-1
-2
-2
-2
-1
-2
-2
-2
-2
-1
-1
-1
-1
-2
-2
-2
-1
-1
-1
-2
-2
-1
-1
-2
-2
-2
-2
-2
-2
-2
-2
-2
-2
-2
-1
-2
-1
-機械語命令
-NOP
-LD
-ST
-LAD
-LD
-ADDA
-SUBA
-ADDL
-SUBL
-ADDA
-SUBA
-ADDL
-SUBL
-AND
-OR
-XOR
-AND
-OR
-XOR
-CPA
-CPL
-CPA
-CPL
-SLA
-SRA
-SLL
-SRL
-JMI
-JNZ
-JZE
-JUMP
-JPL
-JOV
-PUSH
-POP
-CALL
-RET
-
-r,adr,x
-r,adr,x
-r,adr,x
-r1,r2
-r,adr,x
-r,adr,x
-r,adr,x
-r,adr,x
-r1,r2
-r1,r2
-r1,r2
-r1,r2
-r,adr,x
-r,adr,x
-r,adr,x
-r1,r2
-r1,r2
-r1,r2
-r,adr,x
-r,adr,x
-r1,r2
-r1,r2
-r,adr,x
-r,adr,x
-r,adr,x
-r,adr,x
-adr,x
-adr,x
-adr,x
-adr,x
-adr,x
-adr,x
-adr,x
-r
-adr,x
-意味
-no operation
-load
-store
-load address
-load
-add arithmetic
-subtract arithmetic
-add logical
-subtract logical
-add arithmetic
-subtract arithmetic
-add logical
-subtract logical
-and
-or
-exclusive or
-and
-or
-exclusive or
-compare arithmetic
-compare logical
-compare arithmetic
-compare logical
-shift left arithmetic
-shift right arithmetic
-shift left logical
-shift right logical
-jump on minus
-jump on non zero
-jump on zero
-unconditional jump
-jump on plus
-jump on overflow
-push
-pop
-call subroutine
-return from subroutine
-その他の命令
-2
-SVC
-adr,x
-supervisor call
-
-@section マクロ命令
-マクロ命令が生成する命令群は定義しない(語数不定)が,次の例のような命令群を
-生成することを想定する。
-〔例〕IN 命令
-LABEL IN
-IBUF,LEN
-
-マクロ生成
-
-
-LABEL
-
-
-
-
-
-
-PUSH
-PUSH
-LAD
-LAD
-SVC
-POP
-POP
-0,GR1
-0,GR2
-GR1,IBUF
-GR2,LEN
-1
-GR2
-GR1
-3.
-シフト演算命令におけるビットの動き
-シフト演算命令において,例えば,1 ビットのシフトをしたときの動き及び OF の変化
-は,次のとおりである。
-(1) 算術左シフトでは,ビット番号 14 の値が設定される。
-OF
-15
-14
-13
-12
-11
-10
-9
-8
-7
-6
-5
-4
-3
-2
-1
-0
-0
-(2) 算術右シフトでは,ビット番号 0 の値が設定される。
-15
-14
-13
-12
-11
-10
-9
-8
-7
-6
-5
-4
-3
-2
-1 0
-1
-OF
-0
-(3) 論理左シフトでは,ビット番号 15 の値が設定される。
-OF
-15
-14
-13
-12
-11
-10
-9
-8
-7
-6
-5
-4
-3
-2
-0
-(4) 論理右シフトでは,ビット番号 0 の値が設定される。
-15
-14
-13
-12
-11
-10
-9
-8
-7
-6
-5
-4
-3
-2
-1
-0
-OF
-0
-4.
-プログラムの例
-COUNT1
-;
-;
-;
-
-
-
-
-
-MORE
-
-
-
-RETURN
-
-
-
-
-START
-入力
-処理
-出力
-PUSH
-PUSH
-SUBA
-AND
-JZE
-LAD
-LAD
-AND
-JNZ
-LD
-POP
-POP
-RET
-END
-
-;
-GR1:検索する語
-GR1 中の'1'のビットの個数を求める
-GR0:GR1 中の'1'のビットの個数
-0,GR1
-;
-0,GR2
-;
-GR2,GR2
-; Count = 0
-GR1,GR1
-; 全部のビットが'0'?
-RETURN
-; 全部のビットが'0'なら終了
-GR2,1,GR2
-; Count = Count + 1
-GR0,‐1,GR1
-; 最下位の'1'のビット 1 個を
-GR1,GR0
-; '0'に変える
-MORE
-; '1'のビットが残っていれば繰返し
-GR0,GR2
-; GR0 = Count
-GR2
-;
-GR1
-;
-
-; 呼出しプログラムへ戻る
-
-;
+
+ 命令は、4種類のアセンブラ命令(START,END,DS,DC)、 4種類のマクロ命令(IN,OUT)および機械語命令(COMETⅡの命令)からなる。 その仕様を次に示す。
+命令の種類 ラベル 命令コード オペランド 機能
+アセンブラ命令 ラベル START [実行開始番地] プログラムの先頭を定義
+プログラムの実行開始番地を定義
+他のプログラムで参照する入口名を定義
+
+END
+プログラムの終わりを明示
+[ラベル] DS 語数 領域を確保
+[ラベル] DC 定数[,定数]・・・ 定数を定義
+マクロ命令 [ラベル] IN 入力領域,入力文字長領域 入力装置から文字データを入力
+[ラベル] OUT 出力領域,出力文字長領域 出力装置へ文字データを出力
+[ラベル] RPUSH
+GRの内容をスタックに格納
+[ラベル] RPOP
+スタックの内容をGRに格納
+機械語命令 [ラベル] (「1.2 命令」を参照)
+2.3 アセンブラ命令
+
+ アセンブラ命令は、アセンブラの制御などを行う。
+(1)
+START [実行開始番地]
+ START命令は、プログラムの先頭を定義する。
+ 実行開始番地は、そのプログラム内で定義されたラベルでしていする。 指定がある場合はその番地から、省略した場合はSTART命令の次の命令から、実行を開始する。
+ また、この命令につけられたラベルは、他のプログラムから入口名として参照できる。
+(2)
+END
+ END命令は、プログラムの終わりを定義する。
+(3)
+DS 語数
+ DS命令は、指定した語数の領域を確保する。
+ 語数は、10進定数(≧0)で指定する。語数を0とした場合、領域は確保しないが、ラベルは有効である。
+(4)
+DC 定数[,定数]・・・
+ DC命令は、定数で指定したデータを(連続する)語に格納する。
+ 定数には、10進定数、16進定数、文字定数、アドレス定数の4種類がある。
+定数の種類 書き方 命令の説明
+10進定数 n nで指定した10進数値を、1語の2進数データとして格納する。 ただし、nが-32768~32767の範囲にないときは、その下位16ビットを格納する。
+16進定数 #h hは4桁の16進数(16進数字は0~9,A~F)とする。 hで指定した16進数値を1語の2進数データとして格納する(0000≦h≦FFFF)。
+文字定数 ’文字列’ 文字列の文字数(>0)分の連続する領域を確保し、最初の文字は第1語の下位8ビットに、 2番目の文字は第2語の下位8ビットに、・・・と順次文字データとして格納する。 各語の上位8ビットには0のビットが入る。
+文字列には、間隔および任意の図形文字を書くことができる。 ただし、アポストロフィ(’)は2個続けて書く。
+アドレス定数 ラベル ラベルに対応するアドレスを1語の2進数データとして格納する。
+2.4 マクロ命令
+
+ マクロ命令は、あらかじめ定義された命令群とオペランドの情報によって、 目的の機能を果たす命令群を生成する(語数は不定)。
+(1)
+IN 入力領域,入力文字長領域
+ IN命令は、あらかじめ割り当てた入力装置から、1レコードの文字データを読み込む。
+ 入力領域は、256語長の作業域のラベルであり、この領域の先頭から、 1文字を1語に対応させて順次入力される。レコードの区切り符号(キーボ-ド入力の復帰符号など)は、 格納しない。格納の形式は、DC命令の文字定数と同じである。入力データが256文字に満たない場合、 入力領域の残りの部分は実行前のデータを保持する。入力データが256文字を超える場合、 以降の文字は無視される。
+ 入力文字長領域は、1語長の領域のラベルであり、入力された文字の長さ(≧0)が2進数で格納される。 ファイルの終わり(end of file)を検出した場合は、-1が格納される。
+ IN命令を実行すると、GRの内容は保存されるが、FRの内容は不定となる。
+(2)
+OUT 出力領域,出力文字長領域
+ OUT命令は、あらかじめ割り当てた出力装置に、文字データを、1レコードとして書き出す。
+ 出力領域は、出力しようとするデータが1文字1語で格納されている領域のラベルである。 格納の形式は、DC命令の文字定数と同じであるが、 上位8ビットは、OSが無視するので0でなくてもよい。
+ 出力文字長領域は、1語長の領域のラベルであり、 出力しようとする文字の長さ(≧0)を2進数で格納しておく。
+ OUT命令を実行すると、GRの内容は保存されるが、FRの内容は不定となる。
+(3)
+RPUSH
+ RPUSH命令は、GRの内容を、GR1、GR2、・・・、GR7の順でスタックに格納する。
+(4)
+RPOP
+ RPOP命令は、スタックの内容を順次取り出し、GR7、GR6、・・・、GR1の順でGRに格納する。
+2.5 機械語命令
+
+ 機械語命令のオペランドは、次の形式で記述する。
+r,r1,r2 GRは、記号GR0~GR7で指定する。
+x 指標レジスタとして用いるGRは、記号GR1~GR7で指定する。
+adr アドレスは、10進定数、16進定数、アドレス定数又はリテラルで指定する。
+リテラルは、ひとつの10進定数、16進定数又は文字定数の前に等号(=)を付けて 記述する。CASL IIは、等号の後の定数をオペランドとするDC命令を生成し、 そのアドレスをadrの値とする。
+2.6 その他
+
+アセンブラによって生成される命令語や領域の相対位置は、アセンブラ言語での記述順序とする。 ただし、リテラルから生成されるDC命令は、END命令の直前にまとめて配置される。
+生成された命令語、領域は、主記憶上で連続した領域を占める。
+
+@bye